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強く、しなやかで、折れない──矢田修氏が追求する身体哲学

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 10 時間前
  • 読了時間: 2分

矢田氏が語る「幹づくり」の真髄は、単に“強い幹”を目指すことではありません。


幹が硬すぎれば、動きは鈍くなり、強い力を発揮しにくくなります。

しかし中が弱ければ、外からの負荷に耐えられず、すぐに折れてしまいます。

矢田氏はこの相反する性質を、高次元で両立させた身体を目指しています。


つまり、

  • 強いのにしなやか

  • しなるのに折れない

  • 力んでも詰まらない

  • 緊張しても滑らかに動く

という矛盾の統合です。


この思想は、武道や禅の「中心」「氣」「調和」の概念にも通じます。

身体の内側が整い、気の流れが通ると、外側の動きに無理がなくなり、筋肉ではなく“全体性”で動けるようになります。


結果として、フォームの再現性は上がり、余計な疲労が激減し、パフォーマンスは安定します。

矢田氏のトレーニングは、筋力を増やすためのものではなく、身体内部の秩序を整える哲学的作業と言えます。


選手の身体に“哲学”を宿すことで、スポーツ動作は単なるテクニックではなく、身体の理解と自己統合のプロセスへと昇華していきます。


山本由伸選手の安定性としなやかな強さは、この身体哲学の結晶なのです。


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