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「生涯一捕手」に学んだ、生き方の美学

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 7月10日
  • 読了時間: 2分

――野村克也さんへの感謝と、私の歩み――


私は、野村克也さんの現役時代からのファンです。

とりわけ、南海ホークスを退団したのちもなお、「生涯一捕手」を掲げ、身体がボロボロになるまでグラウンドに立ち続けたその姿勢には、胸を打たれました。


自らの選手としての限界と向き合いながらも、「野球人」としての矜持を失わず、泥にまみれてもなお、勝負にこだわる。

そうした野村さんの姿に、私は仕事人生の指針を見つけたような気がします。


私自身も、社会に出てから商社に勤務し、日々お客様と向き合う中で、「生涯一営業」でありたいと強く心に決めました。

数字だけではなく、人と人との信頼に支えられる商売の中で、野村さんのように、表には見えない努力や思考を大切にしたい――そう思いながら、日々を積み重ねてまいりました。


そして1989年、野村さんがヤクルトスワローズの監督に就任されたとき、私の胸には再び熱い思いが込み上げました。

あの南海時代の野村さんが、再び表舞台に立ち、選手を育て、日本一を目指す姿に、私は「もう一度、自分も頑張ろう」と鼓舞されたのです。


その翌年、1990年、私の長男が誕生しました。

私は、迷わず「克也」という名前を贈ろうと考えました。

しかし、姓名判断や画数の兼ね合いもあり、最終的に「克仁」と名付けました。

“克”という字には、どんな困難にも立ち向かい、乗り越えていく力強さが宿っています。そして、“仁”には、人への思いやりや信義が込められています。

――克仁。それは、私の敬愛する野村克也さんの精神と、私自身の願いを込めた名です。息子にも、自らの信念を貫き、他者を思いやりながら、自分の道を歩んでほしいと願いました。


野村克也さんの言葉には、理屈だけではない「人生の真理」が詰まっています。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」「弱者が強者に勝つには、知恵と工夫しかない」私もまた、仕事や人生の節々で、この言葉たちに何度も助けられてきました。


今でも私は、あの背番号「19」が象徴する不屈の精神を、心の中に携えています。

野村克也さんのように、誠実に、愚直に、自らの「野球=人生」を全うできる人間でありたいと、日々思いながら歩んでいます。



 
 
 

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