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■「何も起こらなかった日」が教えてくれたこと

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 7月9日
  • 読了時間: 3分

〜7月5日都市伝説の余波と、集団意識の力〜


2025年7月5日午前4時18分に何かが起こる——そんな都市伝説が、春先から静かに広まり、多くの人々の関心を集めました。

私自身の誕生日と重なっていたこともあり、より一層この話題が心に残りました。


結果的に、7月5日は静かに過ぎ去りました。

空が落ちることもなく、地が割れることもなく、世界は日常のままでした。


ただ一方で、海外の観光客が急減するなど、一部では実際に目に見える影響もありました。こうした“根拠のない噂”が与える社会的影響の大きさに、あらためて驚かされます。


■「今までありがとうな。」という挨拶に感じた子どもたちの心

7月4日金曜日、小学校の下校時の挨拶が「今までありがとうな。」だったという話を耳にしました。

その言葉に、子どもたちなりの不安や想像力、そして「別れ」を意識した深い心の動きがにじんでいます。

大人だけでなく、子どもたちの世界にも“危機意識”が波及していたのです。


■何も起きなかった、だから良かった

たしかに何も起こりませんでした。

しかし、それで良かったのです。

備蓄品を見直し、防災グッズを点検し、家族との連絡手段を確認するきっかけになった。

それだけでも、この都市伝説が生んだ“騒動”には意味があったと感じています。

大切なのは、「起きるかどうか」ではなく、「起きたとき、どうするか」。

そして、その準備を「日常の中にどう組み込むか」だと思います。


■集団の意識が動くとき

今回の出来事は、まさに“集団意識”が大きく動いた一例でした。

SNS、YouTube、掲示板、雑談の中で情報が拡散し、人々の不安や関心が一気に高まりました。

そしてその流れの中で、防災への意識が一斉に高まりました。


この「集団の意識の力」は、時として誤った方向に進むこともありますが、良い方向に向かえば、大きなエネルギーになります。

たとえば、防災訓練への参加率が上がったり、地域での助け合いが再評価されたり。実際に、多くの地域で「備えを見直そう」という空気が生まれたようです。


■恐れを力に変える

未来への不安は、誰にでもあります。

それをただ恐れるだけではなく、「備える力」「行動する勇気」へと変えていくことが、私たちの生き方をより強く、豊かにしてくれるはずです。

「何も起こらなかった7月5日」は、未来の何かが起こる日に向けた“シミュレーションの日”だったのかもしれません。

そしてそのおかげで、私たちは「備える意味」をもう一度確認することができたのです。



 
 
 

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