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副腎と体幹 ~ストレスが姿勢を変える?~

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 4月12日
  • 読了時間: 3分

副腎(ふくじん)という臓器、聞き慣れない方もいるかもしれません。しかし、現代人の「疲れが取れない」「姿勢が崩れる」「体幹が弱い」といった悩みと、密接に関わっている可能性があるのです。


■副腎って何をしてるの?

副腎は腎臓の上にちょこんと乗った、左右一対の小さな臓器です。しかしその働きはとてもパワフルで、「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールやアドレナリンを分泌しています。

特に現代社会においては、慢性的なストレスによってこの副腎が酷使されやすく、「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」という概念も注目されてきました(※まだ西洋医学的には明確な病名ではありませんが、機能性医学などの分野で研究が進んでいます)。


■副腎疲労と体幹の崩れ

副腎が慢性的にストレスにさらされると、コルチゾールの分泌リズムが乱れ、交感神経が常に優位な「緊張モード」になりがちです。

この緊張状態が続くとどうなるか?

・横隔膜の動きが制限される・呼吸が浅くなる(胸式優位)・腹横筋や多裂筋といった「体幹のインナーマッスル」が機能低下・結果として、姿勢保持が難しくなり、猫背や反り腰に…

つまり、ストレス → 副腎疲労 → 呼吸の質の低下 → 体幹不全 → 姿勢の崩れというルートが見えてくるわけです。


■最新研究からのヒント

最近のファンクショナルメディスン(機能性医学)では、「呼吸トレーニング」と「副腎サポート」がセットで提案されることが増えています。


たとえば:

  • 鼻呼吸+横隔膜呼吸を習慣化することで、副交感神経を刺激し副腎を間接的に休める

  • マグネシウムやビタミンC・B群など、副腎に必要な栄養素を意識的に摂取

  • 過度な高強度トレーニングは一時的にコルチゾールを過剰に出してしまうので、量と質のバランスを意識する

そして興味深いのは、「体幹トレーニング」だけをしても、副腎(=ストレス)を無視していると、なかなか改善しないというケースもあるということ。


あなたの体幹が弱いのは、メンタルのSOSかもしれない


姿勢や体幹の問題は、単に筋力の話だけではありません。副腎の疲労、つまり「見えないストレス」が、身体操作や動作の質にまで影響を及ぼしているというのが、最近の見方です。

「最近、呼吸が浅いな」「何をしても体幹が安定しないな」そんな時は、一度立ち止まって、自分のストレス状態や生活リズムを見直してみると大きな一歩になるかもしれません。


Boxing & Fitness B-BOXER 山中敏弘



 
 
 

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