top of page
検索

“間合い”を制する者が勝者となる井上尚弥選手

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 9月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:9月17日

9月14日、名古屋・IGアリーナで行われる井上尚弥選手とムロジョン・アフマダリエフ選手の4団体統一戦。

計量で見せたアフマダリエフ選手の逞しい体格と筋肉は、多くの人に強烈な印象を与えました。

パワーに優れる挑戦者は、まさに“強さ”の象徴です。

しかし、試合を左右するのは単なる力ではありません。

勝敗を分けるのは「間合い」だと私は考えます。

そして、その間合いを制するのは井上尚弥選手です。


武士の闘いにおける「間合い」

日本の武術は古来より、太刀と槍、太刀と小太刀、小具足での立ち会いなど、異なる武器や体格差を超えた闘いを繰り広げてきました。


そこで常に重要視されたのが「間合い」です。

相手との距離、呼吸の間、仕掛ける時と待つ時の間――すべてを制御することが勝敗を決めました。

この概念は剣道や柔道にも受け継がれており、現代スポーツに通じる普遍的な原理でもあります。

力ではなく、タイミングと空間を支配する力。それが「間合い」です。


井上尚弥選手が持つ強み

アフマダリエフ選手は圧力をかけ、前へ出ることで自分の距離を作りにいくでしょう。

パワーを活かすには、自分の間合いを押し付けることが必要だからです。

一方の井上尚弥選手は、これまでも世界の強豪たちを相手に「間合いの制御」で勝利を積み重ねてきました。

  • ジャブとステップで距離を測り、相手の得意な間合いを潰す。

  • リズムを変化させ、相手の呼吸を乱す。

  • カウンターの鋭さで、相手に不用意な前進を許さない。

まさにこれは、武士が槍をかわし太刀で間を制する闘い方にい方に通じるものです。


武士の心、リングに蘇る

力で優る者は恐ろしく映ります。

しかし、武士の戦いが示してきたのは「力だけでは勝てない」という真実です。

井上尚弥選手が繰り出す一歩一歩、呼吸と共に変化する間合いは、まさに日本人が磨き続けてきた武術の神髄といえるでしょう。


この夜、リング上で繰り広げられるのは単なるボクシングの試合ではありません。

それは「間合い」という芸術を体現する闘いであり、武士の心が現代に蘇る瞬間なのです。


Boxing & Fitness B-BOXER 山中敏弘


ボクシング&フィットネス B-BOXER


公式ホ-ムペ-ジ

詳細のご案内


 
 
 

最新記事

すべて表示
野生動物が持つ“波の動き”――力ではなく連動の美しさが強さを生む

トラやライオンの動きを見ると、そこには驚くほどの脱力としなやかさがあります。 一歩踏み出すときも、飛びかかる瞬間も、方向を変えるときでさえ、硬さや力みはほとんど存在しません。 身体の中心から波のようにエネルギーが伝わり、それが全身を流れていくことで無駄のない動きが生まれています。 この“波の動き”は、実は日本古来の武術にも共通しています。 剣の達人は腕の力ではなく、足裏から伝わった波を背骨が受け取

 
 
 
“整えてから鍛える”は科学である――順番を間違えると一生変わらない体になる

多くの人は「筋肉を増やせば体は良くなる」と信じています。 しかし、これは本質を見誤っています。 筋肉は体を動かすための出力装置にすぎず、その前に整えるべき「土台」が存在します。 骨の配列が乱れ、関節が正しい位置を外れ、神経の通りが悪く、呼吸が浅く、骨盤が傾いたままでは、どれだけ筋トレをしても筋肉は正しく働きません。 この状態でトレーニングをすると、お尻は使われず前ももだけがパンパンになり、腰痛や肩

 
 
 
強く、しなやかで、折れない──矢田修氏が追求する身体哲学

矢田氏が語る「幹づくり」の真髄は、単に“強い幹”を目指すことではありません。 幹が硬すぎれば、動きは鈍くなり、強い力を発揮しにくくなります。 しかし中が弱ければ、外からの負荷に耐えられず、すぐに折れてしまいます。 矢田氏はこの相反する性質を、 高次元で両立させた身体 を目指しています。 つまり、 強いのにしなやか しなるのに折れない 力んでも詰まらない 緊張しても滑らかに動く という矛盾の統合です

 
 
 

コメント


B-BOXERロゴ

Copyright2023 B-BOXER takatsuki

bottom of page