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人生という舞台で、私は生きる  「役者」になることを選んだ

  • 執筆者の写真: Toshihiro Yamanaka
    Toshihiro Yamanaka
  • 5月27日
  • 読了時間: 2分
  • かつて私は、本気で役者を目指していました。

  • 高校3年生まで、その志望は揺らぎなく、原点は小学生の頃に観た黒澤明監督の『七人の侍』にあります。

  • あの映画の中で描かれる武士たちの佇まい、信念、命の重み。

  • それは少年の心に強烈な炎を灯しました。


  • 17歳の春、黒澤作品『影武者』が公開され、父を誘って映画館へ行きました。

  • 帰り道、食事をしながら私は「役者になりたい」と告げました。

  • しかし、父はそれに明確な答えを返さず、うまく話を逸らしました。

  • 今思えば、親としての心配や現実的な判断があったのでしょう。


  • その翌年の冬、NHK大河ドラマ『獅子の時代』が放送されていました。

  • 物語の主人公は実在しない人物。

  • けれど、あの幕末という激動の時代を、確かに生きたであろう“名も無き武士”の人生を象徴する存在でした。

  • 彼の姿を通して私はひとつの覚悟を決めました――**

  • 「私はこの人生を“役者のように”生きていこう」**と。


  • つまり、舞台に立たずとも、人生というリアルな舞台で、台本のない物語を演じていこうと決意したのです。


  • この転換は、今でも私にとって最も重要な決断のひとつでした。

  • その後の人生で、数々の困難や失敗、迷いに直面するたびに思い出します。

  • 「これは一幕にすぎない。続きは自分が書く」そう思うことで、私は何度も立ち上がれました。

  • まるで脚本家であり、演出家であり、主演俳優でもある自分が、その“物語”をどう魅せるかを常に考えてきたのです。


  • そして今、B-BOXERという場を持ち、トレーニングや身体を動かすことを通じて人と向き合うとき、私はいつもあの「舞台」を思い出します。

  • 日々のセッションも、ライブのような即興劇。お客様と共に、その場限りの本番を生きている感覚があります。


  • 人生は誰にも平等に与えられた舞台です。自分の足で立ち、自分の声で語り、自分の身体で表現し、そして物語を綴っていく。それが、私の“役者”としての人生です。


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